アデノウイルスには多くの型があり、発熱に伴って咽頭炎と結膜炎を起こすものをプール熱（咽頭結膜熱）と呼んでいます。アデノウイルスには、冬に流行するインフルエンザやロタウイルスのような季節性はなく年間を通して見られます。
高温・多湿を好むため、いわゆる「夏かぜ」として、夏期にも注意が必要です。
鼻汁、咳嗽など軽い風邪程度のものから、肺炎・髄膜炎をおこして重症化するケースもあります。
潜伏期間は通常５～7日でくしゃみや咳などの飛沫感染や、涙・鼻汁などからウイルスが手に付着し、そこから感染する接触感染も多くあります。
プールでよくうつるためこの名がつきましたが、実際にはプール以外でも感染します。
迅速診断キットを用いて行います。5〜15分程度で当院でも検査可能です。
アデノウイルスに効く特効薬はありません。症状を緩和して自然治癒を待つ対症療法が中心となります。
咽頭結膜熱では、通常の結膜炎より炎症の強い結膜炎となる場合があります。その場合は、抗菌剤の目薬に加えて抗炎症の目薬を処方する様にしています。
登校・登園は主要症状が消退（解熱）後2日間は出席停止です。
アデノウイルスは感染力が非常に強く、手に触れたものや飛沫を介して感染するので手洗いやうがい、身の回りの消毒を行うことが大切です。
